カタカナ語末尾の長音『ー』表記の省略について

「フォルダ」「コンピュータ」「ドライバ」「プリンタ」…
英語表記時の『‐er,‐or,‐ar』などに当たる部分について、末尾の『ー』が省略されて使われているIT関連の単語は未だに多い。古~いパソコンで使われていた単語だが、Windows機ではとうの昔に消え、今では「フォルダー」、「コンピューター」等の表記が使用されている。
日経クロステック『マイクロソフトが外来語表記ルールを変更,カタカナ用語末尾の長音(ー)を表記』(2008/07/25)

そもそも『ー』が省略して使われていたのは、「初期のコンピューター上で扱えるデータ量が非常に小さく、1文字でも削ってデータ量を減らしたかったため」(東洋経済オンライン 2017/04/12)なのだ。JIS(日本規格協会)もこれを推奨していたらしい。

現在では大容量データを処理できるようになったので1字削りも不要になり、内閣告示のルールに準拠するようになってきたそうだ。ただしマイクロソフトも、慣例に従って『ー』を省いたまま今後も使用する単語を40程度指定している。アクセラレータ、コンパイラ、コネクタ、スケジューラ、プログラマ、プロセッサなどが相当する。

私自身は、必要な場合は単語末尾には『ー』が欲しい。日本翻訳連盟も「基本ルール」にしている事だし。つまり、「フォルダー」、「コンピューター」の方が好ましいが、まあ古いWindowsで浸透してしまったものは許容範囲かなと思う。自分でも「エディタ」とか「サーバ」とか、そのまま使ってるし。

しかし、妙なところで『ー』抜きの単語を見かけることがある。
プロフィールに「デザイナ」「ライタ」「クリエータ」「プロデューサ」「ディレクタ」「マネージャ」「インストラクタ」「コーディネータ」「ワーカ」などと書く人は結構いるし、ムサビの教科書でも「タイプライタ」「ユーザ」「レーザプリンタ」「インタフェース」といった表記が見られるものがあったりする。

こういうのを見るとなんだかムズ痒くなるが、平気な人は平気なんだろうな。

むかーし職場で、やたらと語尾の『ー』抜き表記を使いたがる人がいたが、当時、アナログ職からICT系の業務に(肩書だけ)移行しつつある人だった。『ー』抜き表記がカッコヨク見えたんだろうか。

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